はしれはしれ その3
そろそろガドウィック空港に着きそうだ。向こうのほうに飛行機が見えてきた。
それまでの道のりは幹線道路を走っていたのだが、周りの風景はとても田舎の風景だった。
一応どっちの空港も同じロンドンの中なのだが、ロンドンっぽい風景はなかった。
ロンドンっぽい風景を見ずに空港についてしまった。まぁ、滞在の最後の2日はロンドンに滞在するので楽しみはそのときまで取っておこう。
それよりも英語でごちゃごちゃアナウンスしてる。
サウスゲートなのでこっちで降りる人は降りてください。と言っている。
どっちで降りるの?
お互いにそんな目でお互いを見ている。
私達はブリティッシュエアウェイズでインバネスまで行くんだけど、どっちで降りればいいんですか?
と運転手をはじめ、そこらへんの人にも聞いてみたがみんなわかってなかった。
しょうがないので、そのまま乗り過ごした。というか、うろうろしているうちに、バスは発進していた。
間違えていたら、バスで戻るのかな?歩いてかな?など密かに覚悟を決めつつ次のノースゲートで降りなくてはならなかった。
入り口すぐにインフォメーションのブースがあったので、早速こっちでいいか聞いてみた。
チケットを見せてくださいと言ってるので、素直に差し出すと、発券作業が進んでるようだった。
ラッキー!!
こっちで良かったんだ。
そこでチケットを見ると、なんと、BUISINESS と書いてある。
こ、これはー。
もしや、、、
憧れのビジネスクラスではー!!
いやー、実はHISに頼んで失敗したー、と思っていたけどこういうことかー。と思った。
なぜかと言うと、HISのチケットが相場よりだいぶ高かったからである。
うーんそれも納得。と言った心境になるのである。これから。
空港の中にはいくつかショップが並んでいた。
そこを通り抜けると憧れのラウンジがあるのだ。
ラウンジの受付で入ってもいいですか?と確認して、いいよと言われたので中に入った。
そこにはお酒や、お菓子や、軽食などが準備されており、超庶民の我々をリッチな気分にさせるには十分なスペースであった。
のんびり酒を飲んでみたり、やはり庶民、ビデオを取り捲っていた。
新婚旅行ともなればこうでなくっちゃ。なんてうきうきしながら白ワインを口にしてました。飛行機に遅れては行けないので時間を気にしつつ、つかの間のリッチな気分を楽しんでました。
???
なんか、アナウンスしてる。自分たちの名前を呼んでいる。もしや、早く乗れって呼び出されている?
たぶんそう。急いでラウンジを出た。出口にいた受付のような人に、さっき呼ばれました。今から行くから!と伝え走って出ていきました。
ぐるぐる半径5メートル位のらせん状の坂道を下り、目的のゲートへ走っていく。途中でまだ出発時刻になってないしそんなに急がなくてもいいんじゃない?と言った。行く途中にも案内係がいて、こっちですよ、とそんなに急いだ感じでもなく言ってくれたからである。のこのこ歩いていくと、やっとゲートについた。
でもここの人は焦っていた。早く入れと言っているようだった。早口は聞き取れないのだが、そんな感じみたいなので、急いでいった。
飛行機はあんまり大きくありません。全部で50人くらい。そうか、これは全員がビジネスクラスだったんだー!と、茶色い皮の客席シートが物語る。
席につくと早速スチュワーデスが酸素マスクやライフベストの説明をし出した。
出発前にはこういうことが必要だよな―。出発時刻に間に合えばいいわけじゃないんだ―。と気がつく一行だった。